皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
ずっと胸の内に抱えていた想いを吐き出した途端、これまでの葛藤があふれ出す。

情けない告白を魔湖の主は聞いてくれていた。


『あなたはもう少し運命の伴侶を信じるべきです。それと、運命の伴侶について間違った解釈をしています。実はあなたのお母様が少し前にここを訪れ、発つ際にとてもあなたを心配し、万が一私があなたと接触する機会があれば伝えるよう頼まれていました』


「母様が……?」


懐かしい母の顔が浮かび、胸が締めつけられる。

魔湖の主曰く、母の魂は喜びと幸せに満ちていたそうだ。

ただひとつ私を遺していくのだけをずっと憂いていたという。

母は魔湖の主に日記の存在を伝え、最後のページを私に読むよう託したという。


『誤解が生じないよう運命の伴侶について私からも説明します。運命の伴侶に強制力はありません。メリハ族の直系は運命の伴侶が生まれつき限定して決まっているのではなく、目の色は相性の良い相手を複数、可能性として示すだけで、そこから愛を育み想いを深めていけるかはお互いの努力や運によります』


「でも、相性の良い相手の魔力に触れれば痣が出て、相手を指名、固定してしまいますよね」


『いいえ、痣を出すのはメリハ族側ではありません。相手側が選ぶのです。とはいえ、メリハ族側が相性や好意を抱いていなければ成立しませんが』


「あ、あの、待ってください。どういう、意味ですか?」


予期せぬ回答の連続に狼狽える私に、魔湖の主は落ち着いた声で丁寧に教えてくれた。
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