皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
さらに今日の一件までどこまでが仕組まれていたのか近いうちにすべて明らかにして報告し、正式な謝罪も行うとグリナダ王国国王は正式にミクス殿下に通信魔具を通じ明言した。

ミクス殿下はセレスタ帝国としても真相解明に期待するとともに捜査協力を惜しまない旨を約束した。

そして、キラナが行方不明である現状にグリナダ王国国王はひどく心を痛め、謝罪と今後の協力を約束した。

思いがけないところから、最高権力者と直接の話し合い、協力態勢が整ったのは国同士にとって喜ばしいが、俺の心はまったく晴れなかった。

夜になり、辺りが完全な闇に包まれる前に森付近から離れなければならないため、グリナダ王国騎士団たちを見送り別れた。

ミクス殿下の護衛を務めながら、後ろ髪を引かれる思いでもう一度魔湖を振り返る。

キラナを水面下で狙う人間の黒幕を突き止め、事件は解決に向かっているのに喜べない。

ともに喜びを分かち合いたい人が隣にいない。


キラナ、話したい事柄がたくさんある。

なにより深い愛と感謝を伝えたい。

だから絶対に見つける。


闇が近づく空を仰ぎ見て、踵を返す。


「――アレン、様」


小さくキラナが俺を呼ぶ声が聞こえた気がした。

ざっと強い風が吹き抜け、勝手な希望に嫌気がさす。
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