皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
『キラナ、あなたの容姿はとても目立つの。魔術で変化しても魔術に優れた目は誤魔化せないときがある。治癒で魔力を使用すれば元の姿に戻る危険もあるし』


母は私の身を案じ反対した。

メリハ族は自分か同族、もしくは運命の伴侶の魔力しか受けつけない。

しかも私の場合、元々の髪、目の色の両方が強すぎるせいか、目と髪を淡い茶色にしか変えられない。

焦げ茶色や黒色という濃い色に変化できないのだ。

これまでやむなく屋敷の外に出るときは、変化の魔術を使用していた。


『気をつけるから、平気よ。母様はどうかゆっくり休んで』


魔獣の被害は予想以上に大きく、騎士団をはじめ領民の負傷者も多く、治療はもちろん人手不足が深刻だった。

家族のように暮らしてきた領民や顔なじみの騎士たちの力に少しでもなりたい。

この非常時に自分だけ隠れているわけにはいかない。
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