皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
『……ワクス前団長……』


思いがけない父の気持ちを知ったアレン様は唇を引き結び、声を漏らした。


『母様、私、アレン様を愛しています。たくさん心配して色々準備してくれていてありがとう』


懐かしい母の文字に指先で触れ感謝の気持ちを伝えれば、アレン様がそっと私の指に自身の手を重ねた。


『義父上、義母上、キラナと俺を巡り合わせ、見守ってくださりありがとうございます。キラナを愛しています。キラナを、メリハ族を、大切に守っていきます』


ふたりの墓前で誓ってくれたときのように、彼がはっきりと言い切る。

アレン様の想いが嬉しくて胸の奥が熱くなる。

私も彼を一生かけて守りたい。

改めて強く思った。

日記にはメリハ族についての詳細、秘密とされている事柄も多く、書かれており、過去の悲劇が繰り返されないためにも厳重に保管すべきだとアレン様に言われた。


『ですが、今後メリハ族について間違った解釈が生じないように少しは周囲に認知していただくのも必要ではと思うのです』


『それもそうだが……皇帝陛下とミクス殿下にお伝えしてみようか。……ブライアンあたりは嬉々として読みたがるだろうな』


後半、面倒くさそうにつぶやく姿がなんだかおかしくて、笑ってしまったのはいい思い出だ。
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