皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
「――キラナさん? どうかした? 大丈夫?」


イスズ様の声に、落ち着かなかった日々の記憶から引き戻される。


「いいえ、あの、仕事復帰もそうなのですが……誕生式典を少し思い出して」


「ああ、三カ月前の? まさかグリナダ王国国王夫妻が来られるとは思わなかったものね、ビックリしたし、なにより警護が大変だったわ……」


イスズ様は忙しさを思い出したのか、遠い目をしていた。


三カ月前、事態が少し落ち着いてきたため、ずっと延期になっていた誕生式典が行われた。

そこにグリナダ王国国王夫妻が事件の謝罪と両国間の友好関係を深めるため直々に皇帝陛下に祝いを述べに来国された。

アレン様はもちろん、各騎士団は厳重な警戒態勢をとり、お祝いムードとは無縁の緊迫感が漂っていた。

国王夫妻の滞在中はアレン様は城内に泊まり込んでおり、とても忙しくしていた。

そして、国王夫妻が私との面会を非公式に希望され、アレン様に付き添われ緊張しながらお会いした。

国王夫妻は一連の事件を含めメリハ族の件を謝罪し、二度とこんな残酷で悲惨な事件が起こらないようにすると約束してくださった。
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