皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
「キラナ、痣はどうだ? 痛みはないか?」


「最近は落ち着いているから、大丈夫」


私の痣は五年前に比べ、なぜかずいぶん色が濃くなった。

長袖で隠れるが、念のため包帯やリボンを常に巻いている。

痣が突然熱を持ち、痛む日もしばしばだが原因はわからない。

彼にも痛みがあるのだろうか。

痣を目にするたび、彼の姿が頭の中に浮かぶ。


「リラは以前、痣同士が引き寄せられているのかもしれないと話していた。この間も辺境伯家の母子の行方について久々に会ったトゥーイッラ魔術騎士団長に尋ねられた。どうしても会いたいようだ」


「先生、迷惑をかけてばかりでごめんなさい」


時間が経った今も、結局私の心は落ち着いていない。

出会った日を思い出せば、なぜか五年前より胸が苦しくなり泣きたくなる。


「迷惑なんてとんでもない。むしろもっと頼って欲しいくらいだよ。親友の忘れ形見のキラナは私と妻にとって大切な娘なのだから。それじゃ作業を開始しようか。明日は大切な日だし少しでも作業を進めておこう」


お昼過ぎには迎えに行くよと明るく告げられ、カップのお茶を飲み干す。

彼らの優しさに胸を熱くしてうなずいた。
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