皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
緑色の目を輝かせ、矢継ぎ早に問われて面喰らう。

プラント公爵家は四大公爵家のひとつだ。

セレスタ帝国建国時から存在すると言われている四大公爵家当主は代々国の中枢をそれぞれ担っている。

両親が存命だった頃、ひととおり受けた貴族教育で学んだ。

プラント公爵は国外担当の宰相、レッツ公爵は国の防衛、騎士団をまとめている。

トリミン公爵は法律や裁判など司法の長で、トゥーイッラ公爵は国内担当宰相を務めている。


「私は、今年二十二歳になりますが……」


確かプラント公爵家には二十五歳になる長男と二十四歳の長女、そして二十二歳の次女がいたはずだ。


「私も二十二歳、やっぱり同い年ね。堅苦しいのは嫌いなのよ」


まるでアンおば様のような物言いに思わず苦笑してしまう。


「でも、身分が」


「私、トルン医師を尊敬しているの。幼い頃大病にかかった私を希望を捨てず治療してくれた、大恩人なのよ。その彼が後見して認めている人に、身分なんか関係ない。今だって親切に治療してくれたじゃない。ねえ、キラナって呼んでいい?」


優しい言い方に胸が熱くなった。

とはいえ、話しながらも痛むのか、眉をひそめる姿にそっと見えないように指を動かして、少しだけ治癒魔法を使う。

薬品にまぜる以外の使用は避けているが、薬もない今はやむを得ないし、苦しみはできるだけ早く取り除いてあげたい。

それに捻挫は癖にもなりやすいので、しっかり治してあげたい。
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