皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
遠慮のない三人の物言いから親しさが窺えた。

彼らが幼馴染み同士なのはよく知られている。


「キラナ・フォーリ嬢、先ほどは妹が大変世話になった。改めて礼を言わせて欲しい」


「い、いいえ、私はなにも……プラント公爵令嬢のお加減はいかがでしょうか」


トゥーイッラ魔術騎士団長の背から少し抜け出て、近づいてきたプラント公爵令息に慌てて首を横に振って尋ねる。


「痛みはずいぶんひいたようだ。トルン医師が君の的確な処置を褒めていたよ。妹も後日、直接礼を言いたいと話していたから、会ってやってくれないか」


「私は居合わせただけですし、お礼の言葉はいただいておりますから……お怪我が一日も早く治られるよう祈っています」


「キラナ嬢、もしや治癒の力をエリーに? 普段から治療院でも力を使っているのか?」


ミクス皇太子殿下の指摘に顔が強張る。

嘘をつくわけにはいかず、プラント公爵令嬢に使った治癒力についてと治療院では母を真似て薬にまぜている旨を告げる。


「……今までよく見つからなかったな。君のおかげで妹は助かったとはいえ危険だろう」


プラント公爵令息の嘆息まじりの感想に小声で説明する。


「トルン医師にはお伝えしていましたし、できるだけ微量にしておりました」


私の言葉に三人は顔を見合わせ、トゥーイッラ魔術騎士団長は一際厳しい表情を浮かべている。
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