皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
治癒魔術は扱える者がとても少なく、どの国も必要としている。

医療技術が発達していても対応できない症例は往々にあり医療現場はもちろん、治癒魔術を研究する者からも求められている。


「アレンと君が婚姻するのは非常に喜ばしい。君を欲する欲深い貴族とのもめ事も避けられるし、アレンなら国としても幼馴染みとしても安心だ。加えて、我が国に必要かつ大切なトゥーイッラ魔術騎士団長の魔力過多を君なら緩和できるだろう」


華やかな笑顔でプラント公爵令息が続ける。

魔力過多緩和についても知っているうえ、再びの婚姻話に心がみっともなく震える。

トゥーイッラ魔術騎士団長が連絡していたのは彼らだったようで、すでに私が話した内容なども伝えていたらしい。


「で、でも、トゥーイッラ魔術騎士団長と私では身分も立場も違います。いくらなんでも婚姻は」


どんどん大事になっていく展開に理解が追いつかないし、当然のように結婚話をされても素直に受け入れられない。

運命の伴侶とはいえ、私たちはお互いについてなにも知らず、気持ちもわからない。

揺れ動く感情だって、運命の伴侶だからなのかもしれない。

私はただ両親のように、運命の伴侶であってもなくても、想い合える人と人生をともにしたい。

だからこそ、身を隠したのに。
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