皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
「そうね、トゥーイッラ公爵家にはメリハ族保護に消極的という噂もあるから。でもあなたの健康に関わる問題ですもの。将来的な事柄を考えればとくにね」


納得したようにうなずくアン義母の発言に小さく首を傾げたところ、怪訝そうな目を向けられた。


「後継者を望まれているという意味よ。あちらは公爵家のひとり息子だし、あなたはメリハ族唯一の直系なんだから」


きっぱり言い切られ、頬が熱くなる。

求婚時に後継者について言われなかったせいもあり、後継者について考えるのを無意識に避けていた。

貴族社会での結婚はその意味合いがとても大きいし、当然すぎて説明されなかったのだろうか。


「ふたりは若いしまだ先の話でしょうけど。とにかくリラが遺した薬も薬草類もしっかり保管しておくから、必要があればすぐに連絡して。メアリ、公爵邸での薬の保管をお願いね」


「もちろんです、奥様。お嬢様をしっかりお守りします」


アン義母の言葉に私と同い年のメアリが力強くうなずく。

メアリは私の抱える事情すべてを知っている。

薬局で保管していた母の薬類は薬草を含めすべてこちらに移した。

公爵邸に運ぼうか思案したのだが、体質について話していない現状と公爵家の内情がわからないため、義両親に一旦管理をお願いした。

薬品類は自分でも作れるが薬草はそうもいかず、自分の身を守るためでもある。
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