皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
痣の痛みの件は伝えており、運命の伴侶として彼は必要であれば魔力を注ぐと言ってくれていた。
ちなみに彼の痣に痛みはないそうだ。
とはいえ、彼にどこまで打ち明けるべきなのか、距離感、接し方に悩む。
こんな状態では後継者の話などできそうにない。
本人に尋ねる機会も方法もなく、時間だけが過ぎていった。
数回の形式的な訪問はあったが、短く事務的な打ち合わせのみだった。
元々彼は必要最低限しか私と目を合わせないし、口数も少なく、名前も呼ばない。
そんな折、彼から贈りものが届いた。
初めての贈りものに小さく心を躍らせて、包みを開けた。
薄紙に包まれたのは精緻な刺繍などの装飾が施された数枚のヴェールだった。
綺麗だけど彼の意図がわからなかった。
「結婚式用のものでしょうか?」
メアリの声に、同封されていた手紙に目を通す。
伯爵家では不要かもしれないが公爵家では自室以外では目立つため、極力髪と目を隠すようにといった内容が記載されていた。
「……ううん、普段使い用みたい。公爵邸で使用するようにって」
平静を装い端的に答えた私に、メアリが眉根を寄せる。
自分の思い違いが恥ずかしい。
彼が私をどう思っているのかが、ヴェールから伝わってくる。
「……迷惑をかけないように、しなくちゃね」
私の味方には、きっとなってもらえない。
信用を得られるのかも不明だ。
距離を縮めるなんて望んでもいないだろう。
私はあくまで形式上の、外交間の体面を取り繕うための、伴侶だ。
ちなみに彼の痣に痛みはないそうだ。
とはいえ、彼にどこまで打ち明けるべきなのか、距離感、接し方に悩む。
こんな状態では後継者の話などできそうにない。
本人に尋ねる機会も方法もなく、時間だけが過ぎていった。
数回の形式的な訪問はあったが、短く事務的な打ち合わせのみだった。
元々彼は必要最低限しか私と目を合わせないし、口数も少なく、名前も呼ばない。
そんな折、彼から贈りものが届いた。
初めての贈りものに小さく心を躍らせて、包みを開けた。
薄紙に包まれたのは精緻な刺繍などの装飾が施された数枚のヴェールだった。
綺麗だけど彼の意図がわからなかった。
「結婚式用のものでしょうか?」
メアリの声に、同封されていた手紙に目を通す。
伯爵家では不要かもしれないが公爵家では自室以外では目立つため、極力髪と目を隠すようにといった内容が記載されていた。
「……ううん、普段使い用みたい。公爵邸で使用するようにって」
平静を装い端的に答えた私に、メアリが眉根を寄せる。
自分の思い違いが恥ずかしい。
彼が私をどう思っているのかが、ヴェールから伝わってくる。
「……迷惑をかけないように、しなくちゃね」
私の味方には、きっとなってもらえない。
信用を得られるのかも不明だ。
距離を縮めるなんて望んでもいないだろう。
私はあくまで形式上の、外交間の体面を取り繕うための、伴侶だ。