皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
翌朝目が覚めて、分厚いカーテンの隙間から漏れる明るい光の中、重くぼんやりした頭で周囲に視線を移し、公爵邸に引っ越したのを思い出す。
元々ひとりで身の周りをこなす習慣があるので、メアリが来る前に簡単に支度する。
伯爵家から持ち込んだ荷物はあまり多くない。
心優しい義両親は多くを花嫁準備に持たせようとしてくれたが、ほとんど断っていた。
綺麗なドレスや宝石に興味はなく、むしろ薬草や紅茶のほうに目を輝かせる私に、アン義母はため息を漏らしていた。
そんな状況なので、荷ほどきは昨夜の内にほとんどすんでいる。
メアリに公爵令息夫人になるのだから準備を任せるようお小言をもらいつつ、朝食の場へと移動する。
二十名近くが座れそうな大きな食卓には、焼きたてのパンやスープなど美味しそうな朝食が並べられ、トゥーイッラ魔術騎士団長が着席していた。
いつ戻られたのだろう。
呼吸を整え、落ち着くよう自分に言い聞かせる。
「おはよう、ございます」
かけた声は語尾が少し裏返る。
「おはよう、昨夜は出迎えできず申し訳ない。なにか不便はないか」
「いいえ、素敵なお部屋を用意していただき、温かいお心遣いをありがとうございます」
「ギルハンに聞いたと思うが、ヴェールは外さないように」
「……はい、これからよろしくお願いいたします」
元々ひとりで身の周りをこなす習慣があるので、メアリが来る前に簡単に支度する。
伯爵家から持ち込んだ荷物はあまり多くない。
心優しい義両親は多くを花嫁準備に持たせようとしてくれたが、ほとんど断っていた。
綺麗なドレスや宝石に興味はなく、むしろ薬草や紅茶のほうに目を輝かせる私に、アン義母はため息を漏らしていた。
そんな状況なので、荷ほどきは昨夜の内にほとんどすんでいる。
メアリに公爵令息夫人になるのだから準備を任せるようお小言をもらいつつ、朝食の場へと移動する。
二十名近くが座れそうな大きな食卓には、焼きたてのパンやスープなど美味しそうな朝食が並べられ、トゥーイッラ魔術騎士団長が着席していた。
いつ戻られたのだろう。
呼吸を整え、落ち着くよう自分に言い聞かせる。
「おはよう、ございます」
かけた声は語尾が少し裏返る。
「おはよう、昨夜は出迎えできず申し訳ない。なにか不便はないか」
「いいえ、素敵なお部屋を用意していただき、温かいお心遣いをありがとうございます」
「ギルハンに聞いたと思うが、ヴェールは外さないように」
「……はい、これからよろしくお願いいたします」