皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
私から離縁はできない条件だが、彼からならできる。
グリナダ王国の王女が結婚し、落ち着いた頃ならば皇帝陛下も離縁をお許しになられるのではないだろうか。
治癒の力を含め、国に背く気はない旨を伝えれば、もしかしたら……。
なぜか小さく軋む胸を抱え、アレン様と離れる未来を考えていた私の耳に乱雑な足音が聞こえ、幹に触れていた手首を大きな手で掴まれた。
「こんな庭の端でなにをしている? 抜け出す気か?」
「アレン様……いいえ、違います。少し考え事を……その、薬になる実を見つけまして」
突然現れた彼に戸惑い、狼狽えながらも無難な理由をなんとか口にする。
まさか離縁について考えていたとは言えない。
「ここは屋敷内から見えにくく、この木を上れば外に出られる。容姿が目立つとはいえ、屋敷外で変化の魔法を使えば見つからないだろう。なにが不満だ? なにを企んでいる?」
「いいえ、本当に、出て行くつもりも不満もございません」
「頻繁に庭に出ていると報告を受けている。知らないと思ったか?」
「散歩と薬になる植物を見ていただけです」
疑い続ける彼に必死に弁明し、掴まれた手はそのままにメアリから籠を受け取って、中身を見せる。
グリナダ王国の王女が結婚し、落ち着いた頃ならば皇帝陛下も離縁をお許しになられるのではないだろうか。
治癒の力を含め、国に背く気はない旨を伝えれば、もしかしたら……。
なぜか小さく軋む胸を抱え、アレン様と離れる未来を考えていた私の耳に乱雑な足音が聞こえ、幹に触れていた手首を大きな手で掴まれた。
「こんな庭の端でなにをしている? 抜け出す気か?」
「アレン様……いいえ、違います。少し考え事を……その、薬になる実を見つけまして」
突然現れた彼に戸惑い、狼狽えながらも無難な理由をなんとか口にする。
まさか離縁について考えていたとは言えない。
「ここは屋敷内から見えにくく、この木を上れば外に出られる。容姿が目立つとはいえ、屋敷外で変化の魔法を使えば見つからないだろう。なにが不満だ? なにを企んでいる?」
「いいえ、本当に、出て行くつもりも不満もございません」
「頻繁に庭に出ていると報告を受けている。知らないと思ったか?」
「散歩と薬になる植物を見ていただけです」
疑い続ける彼に必死に弁明し、掴まれた手はそのままにメアリから籠を受け取って、中身を見せる。