皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
驚き戸惑う私の気配を感じたのか、彼がゆっくり伏せられた長いまつ毛を持ち上げ、数回瞬きを繰り返す。

起きている私を視界に映した途端、綺麗な目を大きく見開く。


「体は、大丈夫か?」


眉根を寄せ、私よりもずっと苦しそうな表情で尋ねる。

よく見れば普段完璧に整えられた髪は乱れ、綺麗な目の下には疲労の色が出ており、シャツもよれている。

彼の態度に戸惑いながらもうなずけば、もう片方の手で彼が自身の顔を覆う。


「……よかった……」


絞り出すような声には力がなく、普段と違う様子にやはり心配になる。

思い切って尋ねようとしたところ、先に彼が口火を切った。


「なぜ、体質についてきちんと話さなかった。一歩間違えば命に関わっていただろう」


厳しく告げながらも、ずっと私の手を優しく握っている。


「……いや、違う……悪い、俺が話すタイミングをなくさせた。信頼を得ていなかったから」


「いえ、そんな、アレン様が悪いわけでは……楽観的に考えていた私自身の責任です」


自嘲気味につぶやく横顔が弱々しく見えて、思わず首を大きく横に振り否定する。

どうやらメアリからメリハ族特有の体質について耳にしたらしい。


「こんな風に体調を崩すのは幼い頃からよくあったんです。でもいつも回復していましたから、今回も似たようなものと思っていたんです。ご心配をおかけして申し訳ございません。お忙しいのに傍にいてくださってありがとうございます。もう、大丈夫です」
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