ラビット・ボンド
 超久しぶりだったからヤバかったとか、目が合った気がするとか、そんなヤマもオチもない話。数日前の出来事だから、興奮冷めやらぬ状態でペラペラ喋っていた。
 でもまあ、私にとっては大事件でも、中断したあと改まってする話じゃない。

「そうだウサミミだ。相変わらずかわいかった?」

「当たり前じゃん、もうかわいいってもんじゃないから! 天使が舞い降りたかと思った」

「あーはいはい、リカも相変わらずだ」
 
 愚問を投げるだけ投げて、ユイコが適当に返事をよこしてきた。それから立ち上がって、アキくんを連れて遊びスペースへと移動する。すっかり目が覚めたアキくんには、おもちゃたちが必要らしい。
 
 
 ぶっちゃけ、ユイコの生活の変化がちょっとだけ寂しかったりする。本人には言えたもんじゃないけど。
 ほんの1年前までは、一緒に朝まで飲み歩いていた。ダラダラと喋りながら、二人して記憶をとばしたりなんかして。
 唯一の飲み相手だったのだ。ときどき寂しく思うのも仕方ないと許してほしい。
 
 それでも、こうして変わらず会えることが嬉しいし、アキくんはかわいい。アルコールなんかなくても楽しいし、酒は一人で飲めばいい。
 
 キャッキャ、とアキくんの声がして、目を向ける。
 なんだか機嫌が良さそうだ。おセンチになってる場合じゃない。今のうちに私も遊んでもらおう。
 
 二人の元へ行こうと立ち上がった瞬間、私のスマホが振動した。メッセージ通知だ。アプリを開いて確認する。
 ――送り主は、トラオだった。
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