ラビット・ボンド
……ぅん?
数秒の沈黙。脳内でトラオの言葉を繰り返して、思考する。
それから、私は、爆笑した。
「うはっ。ちょっと待ってウケる。ごめんごめん」
ぶち当たった結論が、ツボすぎる。
手を叩いてはしゃぐ私に、トラオが肩をすくめる。それも可笑しくて、余計に笑えた。
一杯目のグラスがそろそろ空きそうだし、イイ感じにエンジンかかってきたのかもしれない。
「わかってくれた?」
トラオが口を尖らせる。拗ねるそぶりは、さすがにかわいい。
「うん、ホントごめんと思ってる。……ふふっ」
一応謝るが、笑いがこらえきれない。トラオに、そして自分に、ウケてしまった。
そう、トラオが示唆したように、橘虎雄のサシ飲み相手の女の子は、基本的にダラダラしない。なぜなら、橘虎雄を狙ってるから。
ワンチャンなのか、そういうフレンドなのか、あるいは真っすぐなものなのか。各々の狙いがあるだろうけど、橘虎雄のサシ飲み相手の皆さんは、色っぽい何かを狙っている。そうなると、ダラダラするわけがない。
トラオの交友関係を知らない私が言い切れるもんでもないけど、ご本人様が示唆するんだから合ってるんだと思う。
だから、トラオはピンときてなかった。
――ダラダラ飲みそのものにではなく、目の前の女が『ダラダラ飲みたい』と言い放ったことに。
「そもそも最初があんなんだったし? 全然いいんだけど……」
あんなん、を思い出すと胃が痛い。旅先でのことはいっそ記憶から消してほしい。
「なんていうか、びっくりした」
そりゃそうだろう、と多少反省する。
本気かどうかはさておいて、仮にも口説かれてる立場だった。それはまあ、ちょっと忘れてた。
橘虎雄としてのプライドに、かすり傷くらいはつけてしまったかもしれない。超不本意だけど。
仕方ない、橘虎雄の名誉を守ってやろうじゃんか!
意気込んだ私は、諭すように弁明を始めた。
数秒の沈黙。脳内でトラオの言葉を繰り返して、思考する。
それから、私は、爆笑した。
「うはっ。ちょっと待ってウケる。ごめんごめん」
ぶち当たった結論が、ツボすぎる。
手を叩いてはしゃぐ私に、トラオが肩をすくめる。それも可笑しくて、余計に笑えた。
一杯目のグラスがそろそろ空きそうだし、イイ感じにエンジンかかってきたのかもしれない。
「わかってくれた?」
トラオが口を尖らせる。拗ねるそぶりは、さすがにかわいい。
「うん、ホントごめんと思ってる。……ふふっ」
一応謝るが、笑いがこらえきれない。トラオに、そして自分に、ウケてしまった。
そう、トラオが示唆したように、橘虎雄のサシ飲み相手の女の子は、基本的にダラダラしない。なぜなら、橘虎雄を狙ってるから。
ワンチャンなのか、そういうフレンドなのか、あるいは真っすぐなものなのか。各々の狙いがあるだろうけど、橘虎雄のサシ飲み相手の皆さんは、色っぽい何かを狙っている。そうなると、ダラダラするわけがない。
トラオの交友関係を知らない私が言い切れるもんでもないけど、ご本人様が示唆するんだから合ってるんだと思う。
だから、トラオはピンときてなかった。
――ダラダラ飲みそのものにではなく、目の前の女が『ダラダラ飲みたい』と言い放ったことに。
「そもそも最初があんなんだったし? 全然いいんだけど……」
あんなん、を思い出すと胃が痛い。旅先でのことはいっそ記憶から消してほしい。
「なんていうか、びっくりした」
そりゃそうだろう、と多少反省する。
本気かどうかはさておいて、仮にも口説かれてる立場だった。それはまあ、ちょっと忘れてた。
橘虎雄としてのプライドに、かすり傷くらいはつけてしまったかもしれない。超不本意だけど。
仕方ない、橘虎雄の名誉を守ってやろうじゃんか!
意気込んだ私は、諭すように弁明を始めた。