ラビット・ボンド

CHAPTER 04

 あ~~~~~眠い。だるい。帰りたい。
 
 週の真ん中のお昼過ぎ。仕事なんて捗るわけがない。それなのに月末ときたもんだから、雑務がどんどん舞い込んでくる。
 ついさっき届いたメールが、それはそれは面倒くさそうな内容で、私はディスプレイを見たまま思考停止していた。

 ……無理。ちょっと気分転換しよう。

 いったん見なかったことにして、席を立つ。それから、休憩スペースへと向かった。

 オフィスの一角にある休憩スペース。デスクの方からは見えないように仕切られていて、気楽に過ごせる。
 アイスコーヒーを用意して、窓際に寄っていく。外を眺めながらコーヒーを飲むのが、私の休憩スタイルだ。
 
 天気は曇り。でも、雲の隙間から少し日が差している。東京はそろそろ梅雨明けらしい。

 何気なくスマホを見ると、ナイスタイミングで美月ちゃんのSNS更新通知が来た。運命? みるみるうちに、気力が回復していく。
 満を持して通知をタップすると、画面の中に――天使が降臨した。

 美月ちゃんのオフっぽいソロショット。しかも自撮り。カメラ目線、つまりカメラのこっちにいる私を見て微笑んでいる。

 ……oh マイエンジェル。感謝永遠に。

 上がる口角を慌てて抑える。危ない危ない。いくら休憩スペースに一人とは言え、ここは会社だった。ニヤけてしまいそうな表情筋を、眉間にしわを寄せてグッと堪える。頑張ってみたところで、画面の中の天使には歯が立たない。
 諦めて、SNSアプリを閉じることにする。天使は危険すぎるから、家で見よう。
 
 なんとかまともな人間に戻って、適当にスマホを操作する。他のアプリからも通知が来ていた。とりあえずメッセージアプリの通知を確認する。


 『今日会える?』

 トラオからの連絡だった。
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