空に預けた恋を誓う〜エリートパイロットは約束の幼馴染を一途に愛しぬく〜
言葉は次第に形を失い、呼吸が乱れる。涙は止まるどころか次々と溢れ、視界が滲んで何も見えなくなる。
「ごめんなさい、拓ちゃん。ごめんなさい……っ!」
謝る以外に、できることが見つからなかった。
けれどすぐ、その言葉をやわらかく遮る声が落ちた。
「……落ち着け、仄香。大丈夫だから」
肩に添えられた手に導かれるまま顔を上げると、すぐ近くで視線が重なった。そこには一切の陰りがなく、まっすぐに仄香だけを見つめる強さがあった。
拓翔はそのまま頭を優しく撫で、嗚咽が落ち着くまで待ち続けてくれた。
やがて少しだけ呼吸が整ったところで、静かに口を開く。
「何も心配いらないから、安心しろ。仕事のことは……元々、俺が辞めてほしいって言ったんだ。結果的に、君は俺の願いを叶えてくれただけだ」
「でも……」
「里穂の件は俺に任せろ。根拠もない主張でどうにかなるほど会社も甘くない。今は言いたいだけ言わせておけばいい」
「どういうこと……?」
里穂はSNSでも多くのフォロワーを抱え、発信すれば一気に広がるだけの影響力を持っている。
今回の件は内容が内容だけに、取り返しのつかないかたちで広がってしまうかもしれない――そう思うと不安が募るばかりなのに、拓翔はまるで気にする素振りがない。
さらに里穂の名前を出した一瞬だけ、彼の瞳の奥に底冷えするような冷たい色がよぎった。
そのあまりに強気な態度に、仄香は戸惑いの眼差しを向ける。
「……あいつの言い分が虚偽だと証明された後のことは、もう押さえてある。言質も取ってあるし、あとは順番に片づけるだけだ」
「………」
「それにな、仄香。俺にとって一番大切なのは君だ。君が隣で笑っていられないような場所なら、そんなものに意味はない」