空に預けた恋を誓う〜エリートパイロットは約束の幼馴染を一途に愛しぬく〜
「虚偽の情報をでっち上げて申告し、他人を貶めた結果がこれだ。お前の今の状況は、自分の不誠実さが招いた当然の帰結だろ。他人に責任を転嫁する前に、自分の醜悪さを自覚したらどうだ」
「な……っ!」
「もういいか。お前に関わる時間が無駄だ」
拓翔が、胸倉を掴んでいた里穂の手を冷淡に振り払った。
取り付く島もない拓翔の態度によろめいた里穂の顔が、屈辱に歪む。唇をきつく噛みしめ、震える指先に力がこもる。
そして次の瞬間、その視線が拓翔の背後にいる仄香へと向けられた。
その激しい剣幕に、仄香の肩がびくりと揺れる。
「あんたのせいよ……」
低く押し殺した声が、ゆっくりと険を帯びていく。
「あんたごときが見下してんじゃないわよ!この……っ、出来損ないのくせに!」
足元をふらつかせながらも、ぎらついた目のまま、里穂がこちらへにじり寄ってくる。
「なによ、その格好……似合いもしない上等な服着て!甘やかされて、着飾って、いい気になってんじゃないわよ!」
絶叫とともに、里穂が突き飛ばすような勢いで仄香へと襲いかかった。
咄嗟のことに体がすくみ、仄香は反射的に目を瞑る。
「……っ」
──しかし、肌を打ち付けるかに思えた衝撃はいつまでもやってこず、恐る恐る目を開けば、里穂が視界から消えていた。