空に預けた恋を誓う〜エリートパイロットは約束の幼馴染を一途に愛しぬく〜

「がっ……あ……っ!」

 ドサリ、という鈍い衝撃音とともに、里穂が地面に叩きつけられた。

 すぐ足元では拓翔が里穂の手首を容赦なく捻り上げ、そのままアスファルトの地面に押さえつける。

 里穂を見下ろす拓翔の瞳からは、完全に温度が消えていた。先ほどまでの冷静さは見る影もなく、剥き出しの怒りを見せていた。

「……汚ねえ手で仄香に触んな。ゴミが」

 地を這うような低い声が、鼓膜を震わせる。手首を押さえ込む力がわずかに強まり、痛みで里穂が悲鳴をあげる。

「誰の前で手ぇ出そうとした?社会的に潰すだけじゃ、まだ足りなかったか?」

 冷え切った声音とは裏腹に、全身から立ち込めるような怒気が空気を震わせる。その圧力に押し潰されるように、里穂の喉がひゅっと鳴った。

「……覚えておけ、次に仄香に指一本でも触れようとしたら、文字通り、骨一本程度で済まさないからな」

 突き刺さすように告げられたその言葉に、里穂は声すら上げられず、押さえつけられたまま顔色を失った。

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