空に預けた恋を誓う〜エリートパイロットは約束の幼馴染を一途に愛しぬく〜
いくらSNSで虚偽の投稿をして周囲を騒がせたとしても、あくまで個人間の問題のはずだ。それだけで即座に解雇というのは、いささか大げさすぎる処分に思えた。
仄香の問いかけに、拓翔は事もなげに口を開いた。
「理由はいくつかあるけど……一番大きいのは虚偽の申告だな。俺を陥れるために『心理的苦痛を受けた』って診断書を出してきたらしいが、その一部に不自然な点があって、調査で偽造だと発覚した」
「え……」
「それだけでなく、裏アカで会社の内情や上司の愚痴も流してた。……内容が特定の部署や人物に偏ってたから、割り出すのは簡単だったよ」
軽く肩をすくめるような口調が、かえって現実味が増す。
「あとは、部下への嫌がらせもな。俺が少し話を振っただけで、拍子抜けするくらい簡単に証言が出てきた。あの様子だと、元から相当鬱憤が溜まってたんだろうな」
「………」
「俺はそれを録音して、そのまま上に出しただけだ」
拓翔はそこで一度言葉を切ると、わずかに目を細めた。
「それから、話を聞いてる中で、ちょっと面白い噂も出てきてな」
「噂……?」
「ああ。里穂のやつ、既婚の男にも手ぇ出してたらしい」
「えっ……!?」
思わず絶句する。
驚きを隠せない仄香とは対照的に、拓翔はどこか面白がるように口元を緩めた。
「まさか、ここまで次々とあいつのやらかしが出てくるとは思わなかったけどな」
その温度差に、仄香はただ唖然とするしかなかった。