空に預けた恋を誓う〜エリートパイロットは約束の幼馴染を一途に愛しぬく〜
「それならよかった。このあとは完全にオフなんだ。帰りも非番だから、このまま帰るまで一緒にいられるよ」
「本当?嬉しい……!」
思わず拓翔に抱きつくと、彼は愛おしくてたまらないといった様子で、仄香の背中を優しく撫でた。
「じゃあ、そろそろ行こうか」
拓翔は仄香の小さな手を包み込むように握ると、二人で並んで空港を後にする。
タクシーに乗り込み走り出すと、窓の外には太陽の光を受けてきらめく紺碧の海と、眩いほどに白い街並みが次々と流れていく。石畳の小道が入り組むその風景は、まるで物語の中をゆっくりと進んでいるかのように美しかった。
やがて十分ほど走ったところで、車は小高い丘の上に佇む白亜の小さな教会の前で静かに止まった。
潮風に吹かれながら車を降りると、拓翔に手を引かれるまま中へと導かれる。
扉を開けた瞬間、外の気配がふっと遠のいた。そこにあったのは、澄みきった静寂と、ステンドグラスから降り注ぐ色彩の光だけだった。
「わあ、素敵……!」
思わず零れた声に、拓翔は愛おしそうに見つめる。
「仄香。こっちに」
促されるまま、祭壇の前へと歩みを進める。
その手前で立ち止まると、拓翔はおもむろに羽織っていたトレンチコートを脱いだ。
現れたのは、見事に着こなされたパイロットの制服。間近で見るその姿に、意識を丸ごと奪われる。
(……拓ちゃん、かっこいい……)
見惚れていると、拓翔はそのまま、仄香の前で静かに片膝をついた。
「仄香。……俺と結婚してくれて、本当にありがとう」