空に預けた恋を誓う〜エリートパイロットは約束の幼馴染を一途に愛しぬく〜
その瞳には、底知れない怒りが宿っていた。
拓翔によって完璧に仕組まれた報復に、里穂は形相を変えて怒鳴り散らす。
「何よ!なんなのよ、この詐欺師!あんた、ここまで私をコケにして、今まで通りでいられると思ってんの!?」
拓翔は仄香を抱き寄せたまま、動じることなく冷めた笑みを浮かべ、鼻で笑う。
「どうとでも言え。俺はお前を好きだと言った覚えもないし、正式に付き合おうと口にしたこともない。ただ何度か食事に付き合って、お前の望む『理想の男』を演じていただけだ」
「っ……!」
「そもそも、お前だって俺を侍らせて優越感に浸っていただけだろう?化かしあいはお互い様だ」
里穂は言葉を失い、屈辱に震える手を振り上げようとした。しかし拓翔の鋭い眼差しに射すくめられ、その腕は宙で止まる。
「言いたければ好きに周囲に言いふらせばいい。だが覚えておけ。お前たちがこれまで仄香にしてきた仕打ちは、俺がお前にしたことの何百倍も醜悪だ」
拓翔の言葉が、追い打ちをかけるようにリビングに響く。
「外面だけは立派なお前が、実の妹を下僕のように扱い、搾取し続けてきた──それが周囲に知られたら、一体どちらの立場が危うくなるんだろうな?」