空に預けた恋を誓う〜エリートパイロットは約束の幼馴染を一途に愛しぬく〜
思いつく限りの暴言で突っぱねたいところではあるが、ここで拒絶しては計画が台無しになる。拓翔はの肩を優しく抱き寄せ、耳元で低く囁いた。
「それは、またの楽しみに。里穂も明日、フライトが早いだろう?今日はゆっくり休んでほしい。家まで送るよ」
やんわりと線を引く。けれどしっかりと、次を期待させる言葉は忘れずに。
「……そう。優しいのね、拓翔」
不満を滲ませてはいたが、プライドの高い里穂がそれ以上食い下がることはなかった。
その後も時折、夜の誘いを匂わせる気配もあった。だが、拓翔は「君を大切にしたいから」と、もっともらしい理由をつけて交わし続けた。
――だがそれも、限界は近かった。
里穂を送り届け、一人になった瞬間に猛烈な吐き気が襲う。帰宅するなりトイレへ駆け込み、胃の中のものを吐き出す日を繰り返した。
あの女に触れられるたびに、愛情を囁くたび、汚れていく気がした。精神を削りながら演じる日々に、心は悲鳴を上げていた。
そんな頃。休日のドライブデートで、里穂が「今日は手作りしてきたの」と一つの弁当箱を取り出した。
「一人暮らしだと、まともなもの食べないでしょう? 家庭の味が恋しくなるかと思って、頑張っちゃった」