空に預けた恋を誓う〜エリートパイロットは約束の幼馴染を一途に愛しぬく〜
L字型のソファに並ぶように座った拓翔を、仄香はつい横目で追ってしまった。静かな空間の中で見る彼は、あの頃の名残を感じさせながらもすっかり大人びていて、整った顔立ちに思わず息が止まりそうになる。
子どものころの、明るくて元気な拓翔の姿も大好きだった。でも今の彼はまぶしいほど格好よくて、見ているだけで緊張してしまう。
どうしても収まらない鼓動に振り回されている仄香の耳に、拓翔の甘い声が届いた。
「本当に久しぶりだな。会いたかったよ、仄香」
まっすぐに向けられた視線の優しさに、仄香は思わずカップを持つ手に力を込める。胸がぎゅうっと締め付けられるような、甘い痛みが込み上げてくる。
「強引に連れ出してごめんな。少しは落ち着いたか?」
落ち着いたとは言い切れない。けれど、仄香は少しだけ迷ってから、ゆっくりと首を縦に振った。
拓翔は一瞬だけ切なそうに笑った後、悲痛な色を浮かべて眉を寄せた。
「……迎えに来るのが遅くなってごめん。そんなに痩せて……辛かったよな」
静かな声が胸に落ちてくる。拓翔は首元に手を当てながら、言いにくそうに続ける。
「夢を叶えて就職したはいいものの、君の居場所がどうしても分からなかった。そんな時に里穂を……君の姉を見つけた時は、運命だと思ったよ。ようやく、仄香へ続く手がかりを見つけたんだから」
(運命って……そういう意味だったの……?)