空に預けた恋を誓う〜エリートパイロットは約束の幼馴染を一途に愛しぬく〜
里穂が自慢げに、挑発するように投げつけてきた「運命」という言葉が、拓翔の口から語られることでまったく違う意味に変わっていく。
胸がいっぱいになり、すぐには言葉を返すことができなかった。
ふいに拓翔は立ち上がると、サイドテーブルの引き出しから何かを取り出した。拓翔の大きな掌が目の前で開かれ、そこにあったものを見た瞬間、仄香の瞳に涙が浮かんだ。
──それは、あの日シロツメクサの野原で作った指輪を模した、仄香が持っているものと対になる約束の証だった。
拓翔はそっと仄香の手を掬い上げ、掌を重ねる。
「俺が里穂に近づいたことで、仄香を傷つけるんじゃないかってずっと心配だった。だけど、これだけは信じてほしい」
拓翔の掌の熱が、震える指先から伝わってくる。
「この十五年の間、俺は仄香のことを一度も忘れたことはない。……これで、信じてくれるか?」
色あせることのない想いを証明するように差し出された栞。
(そんなの、信じるに決まってるよ……)
彼は言葉だけでなく、行動で示してくれた。里穂や母へ向けた怒りと言葉と、色あせてもなお持ち続けてくれた指輪。それが、すべての証明だった。
「信じる……ずっと信じてたよ、拓ちゃん」
仄香は溢れる涙を拭いもせず、震える声で続けた。
「私も拓ちゃんにもらった花の指輪、ずっと大切に栞にして……──」
そこまで言って、仄香はハッと息を呑んで黙り込んだ。