空に預けた恋を誓う〜エリートパイロットは約束の幼馴染を一途に愛しぬく〜
カーテンの隙間から差し込む柔らかな光が、まぶたを叩いた。仄香は重い体をゆっくりと起こそうとして、ハッと息を呑む。
「……っ、寝坊した……!」
染み付いた習慣で、慌てて飛び起きようとした。けれど手に触れたのは実家の硬い煎餅布団ではなく、吸い付くような滑らかさのシルクのシーツと、驚くほど反発のいい贅沢なマットレスだった。
見渡せば、そこは落ち着いたグレーを基調とした見慣れない寝室。そこでようやく、ここが実家でないことを思い出した。
その瞬間、一気に昨夜の記憶が脳裏を駆け巡る。顔から火が出るほど赤くなって、思わず枕に顔を埋めて悶絶した。
(わ、私……昨日拓ちゃんと……)
拓翔の「お願い」を受けて同棲を決めたあと、彼の服を借りてお風呂に入らせてもらった。けれどそのあとに案内された寝室にはベッドが一つしかなくて、さすがに首を振った。
当然ながら、仄香には男性と付き合った経験など一度もない。
ずっと拓翔一筋だったこともあるが、常に里穂と比較され小馬鹿にされ続けてきたこともあって、異性とまともに話すことすら避けてきた。
そんな仄香にとって、ずっと大好きで、しかも今では信じられないほど格好良くなった拓翔と寝床を共にするなんて、限界をとっくに超えている。
咄嗟に「ソファで寝る」と言い張った自分に、拓翔はそのとき初めて厳しい顔をした。