空に預けた恋を誓う〜エリートパイロットは約束の幼馴染を一途に愛しぬく〜
拓翔とはじめての「お出かけ」は、思っていたよりもずっと現実味のないものだった。
車に乗せられてからもどこか夢の続きを見ているような気分のまま、仄香は窓の外を流れていく景色をぼんやりと眺める。
やがて到着したのは、大きなガラス張りの複合施設。吹き抜けのエントランスには柔らかな光が降り注ぎ、行き交う人々も洗練されている。
「仄香。こっち」
さりげなく手を取られ、エスカレーターへと導かれる。
「えっと……拓ちゃん、どこ行くの?」
「仄香の服を見に行く。荷物になるから、日用品はあとでまとめて揃えよう」
そう言って緩やかに動く段に乗って上がった先は、レディースファッションのフロアだった。
柔らかなベージュや清潔感のあるネイビーの服が美しくディスプレイされている一角。そこには、里穂が好んで着ていたブランドのロゴもいくつか見えた。
「仄香、好きな服とか、着てみたい雰囲気はあるか?」
そう問いかけられて、仄香は戸惑いながら小さく首を振る。
「……ごめんなさい。これまであんまり買ってこなかったから、よくわからなくて……」