空に預けた恋を誓う〜エリートパイロットは約束の幼馴染を一途に愛しぬく〜
ハンガーにかけられた服へそっと手を伸ばすと、やわらかく、指先に吸いつくような生地が肌を撫でた。軽くて、今まで触れてきたどんな服とも違っている。
手に取ったのは、淡いミルクティー色のセットアップ。とろみのあるブラウスに、ウエストをきゅっと絞った細身のスカート。控えめなのに、清楚で品がある。
(こんなきれいな服を、私が……)
戸惑いながらも袖を通すと、生地がするりと肌をなぞった。
鏡を見た瞬間、見慣れているはずの自分がどこか違って見える。
『仄香、着替えられたか?』
外からかかった声に肩を揺らし、仄香は意を決してカーテンを開けた。
「……あの、私……」
落ち着かなくて、自分の腕を抱きしめるようにして俯く。日陰者のように、誰の目にも留まらないように生きてきた仄香にとって、自身を際立たせる装いはひどく心細かった。
不安で胸が締め付けられそうになった、その時だった。
「……かわいいな」
頭上から降ってきたのは、吐息のような、熱を帯びた呟きだった。驚いて顔を上げると、拓翔が愛おしげに目を細めて自分を見つめている。
「本当にお似合いです!お客様の肌の透明感に、このお色がぴったりですね」
「ですよね。こんなに似合うなら、選びがいがある」