空に預けた恋を誓う〜エリートパイロットは約束の幼馴染を一途に愛しぬく〜
店員と言葉を交わして盛り上がる拓翔に、仄香はもう、恥ずかしさでどうしていいかわからなくなる。
「これと、そこのブルーのワンピースとニットも、全部いただきます。あとは……それに似合う靴とバッグも一式。あ、服はこのまま着て帰るのでタグは外してください」
「えっ、拓ちゃん……!?」
「全部」という言葉に、驚いて思わず身を乗り出す。けれど慣れないフロアの滑らかな床に足を取られ、仄香の体が大きくよろめく。
「あっ──」
悲鳴を上げる間もなく、強い力が仄香を引き寄せた。気づいたときには拓翔の腕の中にすっぽりと収まっていて、厚い胸板から伝わる体温と彼を纏う香水のさわやかな香りに、頭が真っ白になる。
「……大丈夫か?」
至近距離で低く落とされた声はどこか艶めいて聞こえて、思わず息が詰まった。
「本当に似合ってるから、このまま着ていこう。……な?」
近い距離で、やさしく言い聞かせるように囁かれる。
申し訳なさと戸惑いは消えないけれど、触れた場所から伝わる熱に思考を鈍らされて──気づいたときには、小さく頷いていた。
お下がりでも、余りものでもない。自分だけのために選ばれた真新しい服に身を包んだまま、夢のような時間はそのまま続いていった。