空に預けた恋を誓う〜エリートパイロットは約束の幼馴染を一途に愛しぬく〜
洋服を揃えた後、大型複合施設内で日用品を買い足し、レストランの個室でゆっくりと夕食を済ませてから、二人で家に戻った。
リビングのソファ横に、数え切れないほどの買い物袋が並べられる。それを信じられない気持ちで眺めていると、荷物を置き終えた拓翔が振り返り、柔らかく声をかけてきた。
「仄香、今日は疲れただろ。先にお風呂に入っておいで。準備はしてあるから」
そう言って差し出されたのは、今日選んでもらったばかりの、なめらかなシルクのルームウェアだった。
「……いいの?私、拓ちゃんの後でいいよ?」
これまでの習慣で、つい遠慮が口をついて出る。けれど拓翔は、そんな仄香の言葉を遮るように、大きな手で頭を優しく撫でてきた。
「いいから。行っておいで」
子供をあやすような、慈しみに満ちた眼差し。
心臓をぎゅっと掴まれたような心地になりながら、こくりと頷いて仄香は脱衣所へと向かった。
広々としたバスルームの扉を開けると、そこには清潔な香りが満ちていた。その一角には、今日買ったばかりの仄香用のヘアケア用品やボディーソープが並んでいる。
湯船から立ち上る白い湯気を見た瞬間、不意に実家での暮らしがよぎる。
あの家では、母と姉がすべてにおいて最優先だった。仄香が入れるのは二人が浸かった後の残り湯で、節約のために追い炊きをすることもできず、冬場などは冷え切った洗い場で凍えながら泡を流していた。