空に預けた恋を誓う〜エリートパイロットは約束の幼馴染を一途に愛しぬく〜
思わず顔を上げると、まっすぐな視線がぶつかった。一切の迷いのない眼差しに、仄香の迷いがほどけていく。
「本当は、ゆっくり決めさせてやりたい。でもあの様子を見てると、何もしてこないとは思えない」
「……うん」
「だから、ひとまず明日からの数日は仕事を休んで、家にいてほしい。外に出るのも、出来るだけ俺と一緒のときだけにしてほしい。……どうしても、心配なんだ」
素直に不安を口にする彼の声には深い愛情がにじんでいて、心にまっすぐ伝わってくる。
自分のためにここまで考えてくれる人がいる。こんなにも大切に想ってくれている。そんな拓翔に、これ以上不安な顔をしてほしくない。
そう思った瞬間、迷いは完全に消えていた。
「……わかった。拓ちゃんの言う通りにするね」
「いいのか?」
「うん。拓ちゃんにこれ以上心配をかけたくないから。……だから、明日からお休みをもらうね」
微笑んで答えると、拓翔はほっと息をつくように、安堵に満ちた笑みを浮かべた。
「……よかった。ありがとう、仄香」
そのまま吸い寄せられるように、もう一度抱きしめられる。
頭を撫でる手の温もりと拓翔のやさしさに包まれ、ここが自分の居場所なのだと、心の底から実感することができた。
もう、誰かの顔色をうかがいながら朝を迎える必要はない。
目の前の幸福に眩暈を覚えるほどの安らぎを感じながら、すべてを委ねるように心を預けていった。