空に預けた恋を誓う〜エリートパイロットは約束の幼馴染を一途に愛しぬく〜
翌朝、仄香はまたもや出遅れてしまった。
急いでリビングへ向かうと、そこにはすでに着替えを済ませ、エプロンを身に纏った拓翔がキッチンに立っていた。
「おはよう」
朝日に負けないほどのまぶしい笑顔で迎えられ、仄香は少し気恥ずかしくなりながら「おはよう」と返す。
「拓ちゃん、起きるの早いね……」
実家では誰よりも早く起きるのが当たり前だったし、早起きにはそれなりに自信があった。けれどこの家に来てからというもの、一度も拓翔より先に起きられたことがない。
複雑な気持ちを抱く仄香の言葉に、拓翔は手際よく朝食を盛り付けながら、あっけらかんと答える。
「仕事柄、フライトに合わせて早朝に起きることも多いからさ。もう癖になってるんだよね」
「え……それ、体は大丈夫なの?」
「慣れれば平気だよ。昔から体力づくりには力を入れてるし、コンディション管理もきっちりやってるから心配しないで」
何でもないことのように笑うが、やはり仄香の心配は拭えない。今日は仕事もあるはずなのに、自分のためにこうして朝から動いてくれていることが、申し訳なくてたまらなかった。
どう返していいか分からず立ち尽くしていると、拓翔はコンロの火を弱め、こちらに視線を向けた。
「それより仄香。仕事場には連絡したか?」
「あ、ううん、まだ。……えっと、今から電話してくるね」
「ああ。いっておいで」