空に預けた恋を誓う〜エリートパイロットは約束の幼馴染を一途に愛しぬく〜
頷く拓翔を残して廊下へ出ると、仄香は意を決して職場に電話を入れた。
急な引っ越しを理由に三日の休みを申し出ると、電話口の上司は驚きつつも、思いのほか快く承諾してくれた。
『桐生さん、有給ほとんど使ってないよね。今は繁忙期でもないし、このタイミングで一週間くらい取っておきなさい。引っ越しもあるし、休みを残しすぎるのも良くないからね』
「あ、ありがとうございます……」
思いがけない上司の厚意に甘え、結局一週間の休みをもらうことになった。
無事に許可をもらえた安堵感でほっと息をつき、電話を切った仄香は、「せめて手伝いくらいは」と意気込んで再びリビングへ戻った。
しかし、そこにはすでに、拓翔によって完璧な朝食が並べられていた。
「電話終わった?」
そう言ってキッチンから、マグカップを二つ手にした拓翔が出てくる。
「じゃ、食べようか。ちょうど準備ができたところだ」
テーブルの上には、香ばしく焼き上げられたクロワッサンに、絶妙な焼き加減の目玉焼きとウインナー。そこへ彩りのいいサラダが添えられている。
さらに置かれた二つのマグカップは、昨日の買い物で選んだお揃いのものだ。仄香のカップには、たっぷりのカフェオレが注がれていた。