空に預けた恋を誓う〜エリートパイロットは約束の幼馴染を一途に愛しぬく〜

 仄香は通話を一旦保留に切り替え、一呼吸だけ置いてから、静かな指先で検索作業を始めた。

 ほどなく検索結果が表示される。幸いにも、希望日の便も宿も空きがあった。

「大変お待たせいたしました。1月16日発、同じ条件でのご案内が可能でございます」

『えっ、本当ですか……!よかった……』

 電話口から安堵の息が漏れる。けれど仄香はそれに引きずられることなく、必要な確認を淡々と続けた。

「念のために最終確認させていただきます。お日にち以外の変更はございませんでしょうか。よろしければ、ご宿泊のお部屋タイプ、お食事内容、同行のお客様の人数につきましても、すべて同内容でお取り直しいたします」

『はい、大丈夫です。そのままでお願いします』

「かしこまりました。では、1月16日発へ変更のお手続きをいたします。なお、今回の変更はキャンセル保険の適用内となりますので、追加料金は発生いたしません。後ほど、変更後のご旅行日程表をメールにてお送りいたしますので、ご内容をご確認ください」

 顧客からのお礼を受け、最後に不明点がないかだけ簡潔に確認する。

「では本日は、わたくし桐生が承りました。ご連絡ありがとうございました」

 通話を終えるとすぐ、変更内容を簡潔にまとめて担当営業へメールで共有した。必要なデータを整え、送信ボタンを押す。

 その後も、午前中に割り振られていたタスクを静かに処理していく。

 見積もり依頼の確認に、団体旅行プランの宿泊条件の再調整。航空会社への座席ブロック状況の照会。

 依頼の優先順位を瞬時に判断しながらひとつずつシステムへ入力し、確認していく。

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