空に預けた恋を誓う〜エリートパイロットは約束の幼馴染を一途に愛しぬく〜
「私も……拓ちゃんにまた会えて本当に良かった。……ありがとう、拓ちゃん」
かつての、息が詰まるような日々はもう遠い。
今、大切なひとと囲むこの食卓こそが、仄香にとってかけがえのない、満ち足りた時間だった。
食後の穏やかな余韻に浸りながら、片付けを申し出てくれた拓翔に甘え、仄香は先にバスルームへ向かった。
入浴剤を入れた湯にゆっくりと身を沈め、贅沢な時間を過ごす。それぞれに入浴を終えたあとは、自然な流れで寝室へと入った。
キングサイズのベッドは、二人で横になってもなお余裕がある。昼間に仄香が洗濯したばかりのシーツは清潔な香りをまとい、天日で干した布団はふんわりと身体を受け止めてくれる。
「いい匂いだな。……気持ちいい」
そう言って心地よさそうに目を細める拓翔に、仄香は少しだけ弾んだ声で返した。
「今日は天気がよかったから、ふわふわに仕上がったの」
他愛のないやり取りに、自然と頬がゆるむ。
そのあとはいつも通り並んでベッドに横になり、「おやすみなさい」と声を交わして、そのまままどろみに落ちていく──はずだった。
けれど、隣から返ってくるはずのやさしい声がない。
不思議に思って拓翔の方に体を向け、彼を見上げる。間接照明の淡い光の中で浮かぶ熱を孕んだ瞳と視線が重なった瞬間、胸が小さく跳ねた。
「……仄香」
「……っ、なに…?」
さきほどまでの穏やかな彼とは違う、射抜くようなまなざしに、心臓がまたひとつ強く打った。