空に預けた恋を誓う〜エリートパイロットは約束の幼馴染を一途に愛しぬく〜
「……一つ、お願いがあるんだけど」
少しだけためらうような声音だった。それでも拓翔から頼られたことが純粋に嬉しくて、仄香はすぐに言葉を返した。
「もちろんだよ。なんでも言って」
「……うん。じゃあ──」
その言葉の途中で、拓翔の腕が伸びてきた。
腰を引き寄せられ、正面から抱きしめられるかたちになる。やわらかな寝間着越しに伝わる体温と彼自身の香りに包み込まれ、仄香の心臓は一気に、耳元まで届きそうなほど激しく打ち鳴らされた。
「た、拓ちゃ……」
「……今夜は、このままでいさせて」
密着した厚い胸元から、力強い鼓動が響いてくる。
それは自分と同じか、それ以上に乱れていて。彼もまた、同じように緊張しているのだと、言葉にしなくても伝わってきた。
暗がりの中、拓翔が耳元に顔を寄せ、熱を帯びた吐息を落とす。
「……ずっと、こうして君を抱いて眠りたかった」
静かにこぼれた本音に、息が止まりそうになる。
「建前では『仄香の安全のため』なんて言ったけど……本当は、君がまた俺の手の届かない場所へ行くのが、怖くて仕方なかったんだ」
「……っ」
「衣食住すべてを俺が用意して、俺なしでは生きられない体に、心にしたかった。……卑怯だろ?」
その声音には、これまで見せてこなかった弱さが滲んでいた。けれどかすかに自嘲する気配があっても、その奥にある想いは隠しきれていない。
「……好きだよ、仄香。ずっと好きだった」