空に預けた恋を誓う〜エリートパイロットは約束の幼馴染を一途に愛しぬく〜

 真っ直ぐな告白に、胸が強く締めつけられる。彼の零した弱さがひどく愛おしくて、考えるより早く、その背に手を回していた。

「……私も、拓ちゃんのことが好き」

 震えそうになる声を、必死に整える。

「拓ちゃんを信じてたから……頑張ってこれた。どんなに苦しくても、拓ちゃんとの約束を思い出すだけで、少しだけ前を向けた」

 そのまま言葉を探すように、ゆっくりと続ける。

「今だって、小さなことでも『ありがとう』って言ってくれて……笑ってくれるのが、すごく嬉しくて。……拓ちゃんはやっぱり、ずっと私の王子様だよ」

 溢れそうになる涙を堪えながら、仄香は震える唇で、ずっと心に秘めていた願いを口にした。

「私、拓ちゃんに何もあげられないけど……こんな私でも、拓ちゃんのお嫁さんになりたいって、思ってもいい?」

 息をのむ気配が、すぐ近くで伝わる。次の瞬間、抱きしめる腕が強くなった。

 その温もりに、言葉にしきれないほどの想いがすべて込められているようだった。

「……仄香」

 噛みしめるように名前を呼びながら、拓翔は仄香の顔を両手で包み込む。その瞳には、抑えきれないほどの歓びがあふれていた。

「そんなの……俺の方こそ、ずっと願ってたことだよ」

 視線を絡めたまま、逃れられないほど近くへと引き寄せられ──甘い囁きが落ちた。

「……愛してる」

 どちらからともなく重なった唇は深く、互いの存在を確かめ合うように絡み合う。

 長い時間を越えてようやく交わった想いは、誰にも邪魔されない静かな夜の中で、熱を帯びてひとつに溶けていった。



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