10年越しの溺愛——御曹司は私を逃さない

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「それで?梨沙は何にそんなに困ってるの?」


ゴクゴクと気持ちよさそうに飲み物を飲みながら、目の前の紗耶香が楽しそうに笑ってそう尋ねる。

社長から「今日遅くなる」とラインが来た瞬間、私は速攻で紗耶香に連絡して、半ば強引に約束を取り付けていた。自分でも分かるくらい落ち着いていないから、誰かに聞いてもらわないと無理だったのだ。

結局、美織ちゃんに言われたあの一言が頭から離れず、仕事にもまったく手がつかなくなってしまった私は、社長と同居することになった経緯から、最近の出来事まで全部を紗耶香に話していた。

最初、紗耶香は目を丸くして「まじで!?社長と!?いつの間に!?」と興奮気味に叫び出すものだから、慌てて「付き合ってはいない!」と、それだけは何度も強く否定する羽目になった。


「困ってる……困ってるというか……」


言いながら、自分でもうまく言葉がまとまらない。

困っている、のか?私は。


「ただの監視だと思ってたら、社長が思ったより世話焼きで~って困ってるわけじゃないの?」

「……う~ん」


そう言われると、違う気もする。困っているというより…。


「じゃあ、あれだ。社長のスパダリっぷりを前にして好きになっちゃいそうで怖いんだ!?」


紗耶香は目を輝かせながら、確信めいた顔で身を乗り出してくる。


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