10年越しの溺愛——御曹司は私を逃さない
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今日はセントリック・グローバルコンサルティングとの二回目の打ち合わせ。
なのに、なぜか私の隣に座っているのは美織ちゃんじゃなくて、黒崎社長だった。それだけで会議室の空気がいつもより数段重く感じるのは気のせいじゃないと思う。いや、気のせいであってほしい。
私は私で、正直言うと翔のことよりも、隣にいるこの人の存在に緊張しっぱなしだった。心臓が落ち着く暇がない。
まだ社長が出るような段階でもないはずなのに、どうしてここにいるのかというと――思い返しただけで頭が痛くなる。
先日、「独占欲だ」とはっきり言われたあの日のことだ。その後、何が起きたかというと。
「これからの会議は俺も同席する」
そう、当然のように言い張られたのだ。
独占欲!?その単語だけで私のキャパシティは完全に崩壊していたのに、さらに追い打ちで同席宣言。
あの時の私は完全にパンクしていて、つい勢いで言ってしまった。
「社長は来なくていいです!」と。すると社長は、少しだけ目を細めて。
「俺に見られたくないことでもあるのか?」
なんて静かに詰め寄ってきて。いや、あるわけないじゃないですか!というか、会議中に見られたくないことって何!?意味が分からない!
「ありませんよっ!でも、ダメです!」
理由は単純で、私が緊張してしまうから。なのに社長は、こういうときだけ全然引かない。
「同席する。社長命令だ」
その一言で全てが終了した。強引すぎる。
独占欲!?これも、そういうやつなんですか社長!?あまりにも理不尽で、あまりにも一方的で、なのに――どうしようもなく嬉しいと思ってしまう自分がいる。
気づきたくないのに、もう気づいてしまっている。私はとっくに、黒崎社長のペースに巻き込まれている。いや、巻き込まれているどころか。まんまと罠に落ちている気さえする。
それなのに、その罠から抜け出したいと思えない自分が一番厄介だった。