10年越しの溺愛——御曹司は私を逃さない
私の腰を支えていた社長の手が、ゆっくりと下へずれていくのが分かる。その動きに、思わず体がビクッと小さく跳ねた。
「あ……しゃ、ちょっ……だめ……っ」
スカートの下から素肌に直接触れられ、思わず体がのけぞった。
咄嗟に制止の声が出るのに、熱に浮かされたようなその腕は止まらない。
次の瞬間、強い力で、今度はベッドへ押し倒される。社長、と呼びかけようとした声は、距離が近すぎて言葉にならないまま社長の唇に飲み込まれた。逃げようとするのに、なぜか力が入らない。触れられるたびに、意識だけが妙に鋭くなっていく。
「…っ、やっ…」
右の太ももの裏を撫でられ、そのまま右足を社長の肩に乗せられる。
スカートを抑えてないと、下着が見えちゃう…!
いつの間にか、熱のない私のほうが呼吸が荒い。
右足をあげられ、スカートもはだけていて、なによりそれを社長がそうさせている、見下ろされている。それに耐えきれず恥ずかしくて涙がこみあげてくる。
「なにがイヤ?」
社長が私の内ももにキスを落とす。チクッと痛みが走って、一瞬目をつむる。
「なぁ、梨沙」
「…っ、あ」
「なにがイヤなんだよ?」
さっき痛みが走った場所が赤くなっていく。キスマークつけられたんだ、と認識した瞬間、ブワッとわけのわからないなにかが込み上げてきて、また涙がこぼれそうになって、それ以上に顔が赤くなってしまって。
嫌だと言うべきなのに、そう言い切れない自分が一番わからない。その曖昧さを見抜かれている気がして、余計に恥ずかしくなる。どうしてこんなに、簡単に揺らされてしまうんだろう。