10年越しの溺愛——御曹司は私を逃さない
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結局、仕事が少し落ち着いていたのはほんの一週間ほどのことだった。
週明けの会議で、黒崎社長が「年内に都内に支社を増やす」と最後にまるで爆弾を落とすかのように言った瞬間、社内はざわめきで満ちた。
経理部としては今のところ大きな仕事はないはずなのに、部長クラスは毎日会議を繰り返していて、結局その波は私の机の上にも押し寄せてきた。
どういうわけか、経理とはまったく関係のない、新しくできる支社のための人材リストアップまで私に回ってきて、思わず「これは人事の仕事でしょうが!」と心の中で叫んでしまった。
「白石さん。私、白石さんの業務を手伝うことはできないですけど、せめて足を引っ張らないようにしますね」
美織ちゃんに申し訳なさそうにそう言われてしまうレベル。
今日も今日とて終わりの見えない残業だ。
最近は、当たり前のように昼食を抜き、帰宅しても料理する気力すらなく、かといってコンビニ弁当やウーバーに頼るよりも睡眠を優先してしまう自分に、少し罪悪感を覚えたりもする。