10年越しの溺愛——御曹司は私を逃さない
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視界に、うっすらと朝の光が差し込む。
…………。
……朝の光?
「えっ!?」
思わず声を上げてバッと起き上がると、見慣れない部屋が目に入った。
黒と白で統一されたモダンな空間。
右手には一面のカーテンが掛かり、少し隙間から朝日が柔らかく差し込んでいる大きな窓。
左手に目を向ければ、広々とした大きなソファが置かれ、その前には大きなスクリーン。
観葉植物がいくつか控えめに並んでいて、どこか落ち着いた雰囲気が漂っている。
まって、記憶がない。
ここは誰の家?
なんで私がここに……?
確か、さっきまで仕事していたはずなのに……時間は……?
慌てて枕元に置かれていたスマホを手に取り、画面を見ると、ロック画面には9時の数字が浮かんでいた。
「まずい……!」
一気に血の気が引く。
遅刻だ!ここがどこだかまったくわからないけれど、とにかく自分の荷物は……!
必死にベッドから飛び降り、部屋を見渡して確認する。