10年越しの溺愛——御曹司は私を逃さない
思考が追いつかないまま、私はおそるおそる下着に手を伸ばした。
……え。サイズ、ぴったりじゃん。なんで分かるの!?誰にも教えたことなんてないのに。怖い、普通に怖い。
だけど、このままどうすることもできないのも事実で。
私は深く息を吸って、無理やり平静を装うことにした。
大丈夫、大丈夫、これはただの厚意。そう思い込むしかない。
そうして、私はその用意されたパジャマと下着を手に取り、お風呂を借りることにした。
温かいお湯に体を沈めた瞬間、張り詰めていた緊張が一気にほどけていく。
はぁ……生き返る。
でも、気を抜くとすぐに今日の出来事が頭の中に浮かんできてしまう。
どうしてこうなったのか、どこで間違えたのか、もし違う選択をしていたらどうなっていたのか。考えても答えなんて出ないのに、思考は勝手に同じところをぐるぐる回り続ける。
だめだ、もう限界。頭の奥がじんじん痛み出して、これ以上考える余裕なんてない。
気づけば、かなり長い時間お風呂に浸かっていたらしく、上がった頃には時計の針は17時を指していた。そんなに時間経ってたんだ……。
少しぼんやりしながらタオルで髪を拭き、ドライヤーの温風を当てる。長い髪が指の間をすり抜けるたびに、さっきまでの現実感が少しずつ薄れていく。
でも、その代わりに、どうしようもない眠気がじわじわと押し寄せてきた。