10年越しの溺愛——御曹司は私を逃さない

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*

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「し……いし」

「……ん」


遠くから、誰かが呼んでいる気がする。意識の奥でぼんやりと響くその声に、うっすらと眉を寄せた。


「そろそろ起きろ」


……起きろ?誰に言ってるの……?


「白石」


その名前をはっきりと呼ばれた瞬間、意識が一気に浮上した。

パチッと勢いよく目を開けると、目の前にいたのは――黒崎社長。


「なっ……!?え!?」

「起きれるか?体調は?」


低くて落ち着いた声が、すぐ近くで響く。

た、体調!?


「だ、大丈夫です……!」


反射的にそう答えたものの、寝起きで頭がまったく回っていない。というか、それどころじゃない。なんでここにいるの!?いつから!?私、完全に寝てたよね!?

やばい、私……寝起き!?髪、絶対ぐしゃぐしゃだし……それに、当然すっぴんだし……!

一気に羞恥心が押し寄せてきて、私は慌てて手ぐしで髪を整えながら、枕を引き寄せて顔を隠した。


「なんで隠すんだよ?」


不思議そうな声と一緒に、ほんの少しだけ眉間に皺が寄る。その表情に、少しムッとする。

いやいや、普通に考えて、女性が寝てる部屋に勝手に入る方がどうかと思うんですけど。


「すっぴんなので」


できるだけ冷静を装って答えると、「これから先、毎日一緒なのに?」と、あっさり返された。


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