カーテンコールはまだ鳴らない。
「なっ、なんでもする!
頼む、頼むから――助けてくれ――!」
侑玖はその叫びを無視し、息を深く吸い込んでから、
ようやく拳銃を構えた。
視線を合わせた男の顔から、次第に焦点を絞り込み、
銃口を男の頭部に合わせる。
だが、指が引き金を引こうとしても、どうしても力が入らなかった。
何度も荒い呼吸を整えながら、侑玖は手を震わせて銃を構える。
その震えを必死に抑え込もうとするが、内心では抑えきれない
怒り、憎しみ、そして――迷いが渦巻いていた。
男の姿が次第にぼやけて、銃口が微かに揺れる。
もう少しで、もう少しで引き金を引いてしまう。
目の前の男が、さらに声を張り上げる。
「お願いだ、助けてくれ!頼む!」
その声に、侑玖は目を閉じ、再び深く息を吸った。
目を開けると、男の顔がぼやけていた視界の中で、
徐々に明確になり、銃口がしっかりと定まった。
一瞬の静寂。
引き金を引くその瞬間、侑玖の指がようやく、ゆっくりと力を込めた。