極上パイロットの一途な執愛
「い、言いましたけど……」

 多忙な蒼真さんがこんなにすぐにやって来るとは、正直思っていなかった。

「話したいことがあるから、中に入れてくれる?」

 蒼真さんは私の肩越しに部屋のほうを見る。その視線を感じた私は、慌てて玄関の外に出てドアを閉めた。

 絶対に開けられないようにドアに背中を付けながら、「無理です」と首を横に振る。

「どうして?」

 部屋の中にはたくさんの漫画の本がある。愛読している少女漫画を見られるわけにはいかない。

 そう思いながら、苦しい言い訳を口にする。

「ええと、部屋が狭いので……」
「俺は気にしないよ」
「私が気にするんですっ。お話なら、ここでしましょう」
「ここで話をするのは、少し寒いなぁ」

 蒼真さんはそう言いながら指先をこすり合わせる。
 たしかに今日は気温が低い。しかも蒼真さんは車で来たのか、上着を着ていなかった。こんな軽装で外にいるのは寒いだろう。

「明後日にはロンドン便に乗らないといけないから、体調を崩したくないんだけどな」

 ひとり言のようにつぶやかれ、ぐっと言葉に詰まる。

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