極上パイロットの一途な執愛
 傷つけられることを覚悟していたけれど、蒼真さんは拍子抜けしたようにこちらを見た。

「部屋に男でもいるのかと思ったら、山になっていた本が崩れただけか」

 その言葉を聞いて、私はパチパチと目を瞬かせる。

「だ、だけって……」

 大量の少女漫画を見たのに、蒼真さんは引いてない……?

「さっきの音は、枕もとに置いていた本が崩れた音だったんだよね?」
「そ、そうですけど」
「じゃあ、どうして頑なに俺を部屋に入れようとしなかったの?」
「それは、部屋には漫画の本がたくさんあるから」
「漫画の本を見られたくなかった?」

 首を縦に振ってうなずいた私を見て、「なんだ、そんなことか……」と蒼真さんは息を吐き出す。

「そんなことって。二十七歳にもなって、部屋にこもって大量の少女漫画を読んでるんですよ?」
「一年間一緒に暮らしてたんだから、薄々気付いていたよ」
「えっ」

 紙の本はマンションには一冊も持ち込んでいなかったし、漫画を読むのは電子書籍で、しかも部屋でひとりでいるときだけ。

 少女漫画という夢見がちな趣味を蒼真さんに知られないように、必死に隠してきたはずなのに。

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