極上パイロットの一途な執愛
「よかった。これで今日から安心して寝られる」
「おおげさなこと言わないでください」

 顔をしかめた私に、蒼真さんは「おおげさじゃないよ」とにこりと笑う。

「じゃあ、マンションに帰ろうか。とりあえずすぐに使うものだけまとめて、残りはあとから運ぼう。家具や家電は処分して――」

 さっそく立ち上がろうとした彼に、目を丸くする。

「い、今からですかっ?」
「もちろん。愛里をこんな場所に一秒だっていさせたくない」

 蒼真さんは本当に強引すぎる……。

「そういえば、あれから隣の男に声をかけられたりしてないか?」

 思い出したように問われ、「あ、はい」とうなずいた。

 蒼真さんの脅しが効いたのか、あれから一度も奥村さんを見ていないし気配すら感じない。きっと、私と顔を合わせないように、細心の注意を払っているんだろう。

「一応個人情報は調べておいたけど、使う必要はなさそうだな」
「え。奥村さんのことを調べたんですか?」

 驚く私に、蒼真さんは当然だとばかりにうなずく。

 王子様の皮を被るのをやめた蒼真さんは、強引で俺様すぎる……と思わず絶句してしまった。


 
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