極上パイロットの一途な執愛
 顔を合わせるたびに声をかけてくれる、社交的で感じのいい人だ。

「おはようございます」

 不愛想に見えないように、きちんと頭を下げて挨拶を返す。

「香坂さん、今日も早いですね」
「奥村さんも」
「俺は、ゴミ捨てに行くだけなんで」

 そう言いながら、手に持ったゴミ袋を見せて笑う。

「香坂さん、お仕事頑張ってくださいね」

 彼の言葉に「ありがとうございます」とお礼を言って仕事に向かった。


 



 日本で一番利用者数の多い国際空港。

 その巨大ターミナルに隣接するビルの最上階にあるのが、私の職場であるオペレーションコントロールセンターだ。

 壁一面の巨大なモニターには、世界中を飛ぶ飛行機のフライト情報がリアルタイムで映し出されている。

 OJAの心臓部ともいえるこの場所で、私は運航管理者として働いている。

 一般にはあまりなじみのない職業だけれど、航空業界では『地上のパイロット』と呼ばれるほど重要なポジションで、航空機が安全かつ効率的に運航できるよう飛行計画を立て、地上からサポートする役割を担っている。

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